境界性人格障害の闘病中に言われて辛かったこと、嬉しかったこと

桜木ひなたです。こんばんは!
すっかり春で花粉症が辛いので点鼻薬と点眼薬を貰ってきました。

今回は、境界性人格障害…というよりメンタルが落ちている時全般に当てはまるのですが、闘病中に「言われて辛かったこと」と「嬉しかったこと」をお伝えしようかと思います。
今回も「あくまでも私の場合は」という言葉を添えさせて頂きます。

目次

言われて辛かったこと

これは人によってはワガママや甘えだと感じると思いますし、実際にワガママ・甘えなのかもしれません。ただ障害や病気を抱えた人にとっては非常に傷付く言葉です。中には言ってしまうことで、闘病する!治したい!といったやる気を減退させてしまうかもしれません。
でも絶対に言うなというわけでもないですし、どんな言葉もですが言い方次第、その後のフォロー次第という部分は大きいと思います。
全部を記憶しているわけではなく、思い出しながらになるのですが、特に記憶に残っていることを記しますね。

あなたより辛い人は沢山いるから

これを言われたらもう何も言えません。誰かにとって辛くないことは、誰かにとってとても辛いことです。その逆も然りですよね。
どんな辛い思いをしている人なら「辛い」と弱音を吐いて良いのでしょうか?
世界で一番可哀想な人でしょうか。それは一体誰でしょうか。その基準もないに等しいと思います。

たとえその辛いと感じる部分が、あなたにとって辛いものじゃなかったとしても、他の人にとっては辛いことも多くあります。でも過剰に「そうなの、辛いね、可哀想だね」と対応する必要もないです。
多かれ少なかれ「同情して欲しい」という気持ちはあると思います。同調して欲しいとか…。
聞いてほしいだけ、吐き出したいだけという事もありますが、それがあなたにとってとても負担になることなら、それを正直に伝えるのもアリだと思います。

人の「しんどい」「辛い」も、聞く側の負担が多くなれば聞く側が「辛い状態」になるため、負担だなと感じたら無理をする必要はありません。
メンヘラという言葉はここであまり使いたくないのですが「メンヘラの話に付き合ってたら自分がメンヘラになってしまった」という事を防ぐためにも「NO」という意思があればそれを伝えてみてくださいね。

都合のいい病名がどんどんつくね

精神的に病んでしまう人の中には、病名が「1つだけ」ということはあまり多くないと思います。
うつ病+不眠症とか、うつ病+視線恐怖症とか、併発して色々と発症してしまうものが多々あるのではないでしょうか。

実際私も、解離性障害、解離性健忘→解離性同一性障害や、幼児退行、細かく言えば視線恐怖や男性恐怖など様々な症状があります。境界性人格障害の治療を続ける中で、発達障害(ADHD、自閉症)ということも発覚していきました。

信頼している人には「私は○○なんだからこうしてよ!」とは思わないものの、少しでもわかって欲しくて「○○なんだって」という風に伝えます。
その時に言われたのが「都合のいい病名がどんどんつくね」でした。

この言葉だけで一週間以上寝込めるくらい、言われた本人にとっては辛いものです。
聞かされる側は、病気アピールがうざいという気持ちもあるでしょうし、またその話?という感情もあるとは思います。ただ、相手はやはり「病んでいる人」なので、過度な同情や感心を示さず「そうなんだ」くらいで流せば良いのではないでしょうか。
どうしても何か言い返したければ「私も最近腰痛くて!」とか「肩凝ってて!」とかもいいかもしれません…(笑)

手帳や病名を印籠代わりに使うな

言いたいことはわかるんですよね…。

私の場合は必要性があって障害者手帳を申請して「2級」という結果でした。そして、当時、母は「境界性人格障害の私」に全く関心を持ちませんでした。「私のほうが大変」という風に母は思っていたのですね。
そちらの話は今は致しませんが「あんた程度の症状で2級なんだ」と言われた時は本当に傷付きました。

これは私にも問題があったのですが「外に一人で出られない。だから車を出して欲しい」といった頼み事を断られた時(母もとても疲れていました)に「私は手帳があるのに…」という言葉を発したことがあります。
印籠のように扱ったわけではなくて「一人で外に出られない証明(?)として手帳があるんだよ」というニュアンスでしたが伝わらずに「印籠にするな」と言われたのですね。

ただ上にも書いた通り、言いたいことはわかるんです。なので、同じような思考の方には、私も「手帳は全てを許す魔法のカードではない」とお伝えしたいですが、ただ病気の方を強く否定はしたくないです。
市にもよりますが、手帳は取得するメリットもあります。私の場合は過去、精神科で処方される薬が無料という時期がありました。今は多少ですがお金がかかります。それから災害時にも優先的に薬を貰える…?そうです。大きな災害を関東で経験したことがないので、今のところその仕組に頼ったことはありませんが…。

そして何より、心の障害、病気って「形」に出来ないんですよね。心に大怪我を負っていても、体の怪我と違い、血も出ないし、かさぶたにもなりません。
それを表現するのが「手帳」だと私は思います。ただし、やはり患者さんも周りの方も「印籠」とは思わないことも大切ですね。

眠らずに活動出来るなんて羨ましい

こちらは不眠症がひどかったころに言われた言葉です。
例えば丸3日眠れておらず、睡眠恐怖症で横にもなれないから、○○してるよ。という話題になった際に、そう言われました。
「絶句」の一言です。
貧困でご飯が食べられない人に、ダイエット出来ていいよねと言うのでしょうか?
仕事が忙しく、趣味の時間をとれない方も多くいらっしゃるので、趣味の時間が確保出来ていいなと感じるのかもしれません。
でも「睡眠」って人間の三大欲です。しっかりと休めないことはとても辛いことです。

似たような話に「肥満」があります。精神科の薬は太る薬がとても多いのですが…。
「私痩せてるから太れるなんて羨ましい」と言われたことがあり、症状が重たかったので発狂しかけました。

当人にとってはとても辛いことですから「羨ましい」という言葉は適切ではないと感じました。
私も「全然眠れてなくてさ~、もう3日眠れてないの。もー本当眠れない;;辛い;;3日だから;;」というような伝え方はしておりません。サラッと「起き続けて3日だからしんどいけど、寝れないから○○してるー」という伝え方が多かったですが「羨ましい」と言われてしまっては「じゃあ代わりに病気になってくれる?」と思いました。

病気の人に「病気で羨ましい」と言うようなものなので、これは控えたほうが良いかと思います。
どうしても不幸アピールだなと感じたら「自分は最近全然趣味の時間持ててないなー」という風に返せば良いかもしれません。

言われて嬉しかったこと

現在、境界性人格障害で闘病している人へ一番に伝えたい事は「必ずしも物事は悪意がこもったものではないこと」と「それに積極的に気付くこと」です。
次の項目では「言われて嬉しかったこと」をお伝えいたします。

ちゃんと側にいるから大丈夫だよ

先にお伝えしたいのは「そばにいる」というのが物理的なものではないということです。
辛い時はいつでも呼んでくれたら家に行くから!!…という意味ではないのです。

ここでいう「側」とは心のことです。勿論、物理的に側にいられるならそれも嬉しいことではありますが、心に穴のあいている境界性人格障害の方にとっては「きちんと話を聞いてくれる(心の側にいてくれる)」ということはとても頼もしいことです。

話しを聞く=いついかなる時も何時間でも電話OK!という意味でもありません。

ここでも線引はやっぱり必要なので「今忙しいけど、○日or○曜日に○分くらい時間とれるよ」と伝えることでも十分に安心感を与えることが出来ます。
あなたの時間を犠牲にして、患者さんに必ずしもべったりと寄り添う必要はありません。
家族なら家族として、恋人なら恋人として、友人なら友人として「適した距離」というものがあると思うので、適した距離にしっかりいるよ、という事を伝えてもらえた時は、凄く嬉しかったですね。

「限られた時間しかない」というのも、ニュアンスを伝えるのが難しいのですが、治療に効果的なんじゃないかなって思います。何度もお伝えしている「線引」や「ルール」ですね。

リストカットをした時に「薬、塗ろうね」

過去にも記事にしていますが、リストカットをした時のことです。

リストカットをした時、境界性人格障害の人は「手首の人格化」と同時に「自罰」を行います。
自分にとって嫌な言葉を言った人を手首に見立てて切ったりするわけですね。直接的な攻撃はしません。(個人差がありますけれど…)

「自罰」の場合はお伝えしやすいですね。
「感情を爆発させてしまった自分は悪い子だ」「自分の言葉で大切な人を傷付けた、自分は悪い子だ」と手首を切ります。境界性人格障害の患者は、ここで十分自分への「罰」を与えている…つもりなんですね。
そこで更に怒られる事の方が多かったです。「なんでこんなことするんだ!!」って。患者にとっては二重で罰を受けているようなものです。

関連記事にも書いていますが、リストカットをした患者のことは「肯定も否定もしない」ことが無難な対応だと感じます。なので「薬、塗ろうね」と言われたときのほうが「ああ、心配させてしまったな…」と反省することが出来ます。

悪い自分を手首を切ることで罰し、それを否定されないこと。その繰り返しで、私はリストカットをしなくなりました。リストカットは跡になってしまうので、親しい方が「早くやめさせたい!」と思っている場合は「薬、塗ろうね」や「薬塗った?」という対応をしてみると良いかもしれませんね。

「頑張ってるのはわかってるよ」

境界性人格障害の人は寛解に至るまで、何度も怒りを爆発させます。試し行為も、自傷行為もあると思います。状態によっては「頑張ること」も出来ないです。闘病するぞ、治すぞという気持ちが生まれるまでに必要な時間も患者さんによって様々です。

そうやって「良くなりたい」という気持ちを持った患者さんは、とても沢山の努力をします。本人にしかわからないほど、僅かなことかもしれません。良くなりたいとは思っていても、相変わらず怒ったり、自傷行為をしたりすることもあります。私もそうでした。
早く回復したいと思っているのに、感情の制御が出来ず、怒ってしまって自己嫌悪、リストカット…、反省・自己嫌悪…の繰り返しでした。

あなたの親しい方が、現在寛解に至るまでの「どの地点」にいるのかは、私にはわかりませんが…。患者の方をよく見ていたら、その中に僅かな努力がわかるかもしれません。ご家族や恋人の方だとわかりやすいかもしれませんね。

「僅かな努力」を感じたら、例え怒りを爆発させて自己嫌悪に陥って寝ている間でも…「頑張ってるのはわかってるよ」と伝えてあげると、患者さんの寛解への道が近づくかもしれません。
全く努力を感じず「そこのけそこのけ患者様だ」という状態の場合は、無理に言う必要はないと思います。その辺りは、患者さんの周囲の方にしかわからないことなので、見極めて頂ければと思います。

「ゆっくりで大丈夫だよ」

病識を持ち、早く治したい!と患者さんが思った時、患者さんは凄く焦るはずです。一度でも上手くいかず、怒りを爆発させたり、自傷行為をした時には自信を失くして落ち込むと思います。

やっぱりダメなんだ。治らないんだ。一生付き合わないといけないんだ。
そう感じた時の患者さんの心は絶望に染まります。なぜなら、一日でも早く寛解したいからです。

でも、寛解って一朝一夕でたどり着くものではありません。そうして自信を失っていた時に「ゆっくりで大丈夫だよ」って言われた時は、凄く嬉しかったです。

あとは「病気で辛い時期よりも、治って楽しい時間のほうが長いからね」という言葉です。現在進行系の時は受け入れられなくても、少し良くなってくるとその言葉に凄く救われます。ああ、闘病頑張ろう、負けないぞって思えました。

「一生治らない」「一生辛い」というイメージも払拭できないのが、境界性人格障害です。寛解した私も、やはり「障害」ではあるので、稀に怒ることはあります。というか人間であって感情がある限り、怒ることはあるし、そこにしっかりとした理由もあります。

ただ「怒った状態」からの回復は驚くほど早くなりました。発症する前より早いんじゃないかなって思います。
患者さんは多くの絶望や苦しみを頑張って越えようとしています。そんな患者さんには「焦らないで、ゆっくりね」と優しい言葉をかけてあげると、闘病生活を頑張ることが出来るかもしれませんね。

境界性人格障害やメンタルの病の方に関わらず、人に何かを伝えることって難しいです。僅かな表情、言葉のニュアンス、何かが違ったら「怒り」や「絶望」に変わってしまいます。それは、患者さんであっても親しい方にとってもそうですよね。
大切なのは「しっかり話すこと」かなって思います。
何に怒り、何を悲しみ、何を思ったのか。嵐が過ぎた後でも、それを話し合って、互いの意見を交換して気持ちや感情の整理整頓を是非なさってみて下さいね。

※このブログに書かれていることは、私(桜木ひなた)の1つの経験談であり、全ての症状や対処法をお伝えするものではございません。1つのケースとして見ていただけると嬉しく思います。

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